劇場公開日 2022年9月30日

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「予想外の展開に戸惑いながら引き込まれてしまった」ドライビング・バニー kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5予想外の展開に戸惑いながら引き込まれてしまった

2022年10月7日
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鑑賞方法:映画館

主人公がついていない話というと奥田英朗の小説「邪魔」や「最悪」が思い浮かぶ。そんなことになる遠因は自分にもある。でもなんでこんな目に遭わないといけないんだって展開。こっちもつらくなる、でも目が離せない。
本作はそんな奥田英朗の小説を連想させる作り。2人の子どもと離れ離れで暮らすバニー。子どもと暮らすために住居の確保をめざす中事件が起きるという展開。
バニーの子どもたちに会いたい気持ちはわかるが、ルールを守らないところやきわどい軽犯罪の数々は共感できない。そして後半の展開はまったくの予想外。イカれてるんだけど、物悲しい気分になって、後半の息子の言葉に少し感動したりして。でも、ラストになぜか爽快な気分になったりする。全然ロードムービーらしさはないのに、たしかにロードムービーかもと思わせる。ニュージーランド映画だからなのか、不思議な鑑賞体験だった。
なかなか抜け出せないシングルマザーの貧困、子どもたちを誰が誰から保護するのか、原題にある彼女の正義とは、そんなことを考えさせられる映画だ。

kenshuchu