「個人的東出史上最高傑作(WILL公開以前)」とべない風船 サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
個人的東出史上最高傑作(WILL公開以前)
2023年劇場鑑賞6本目 優秀作 71点
当方東出の声の演技や身体から滲み出る雰囲気が苦手で、作品によっては生理的に受け付けない時もありますが、今作は個人的に東出史上最高傑作でした
のどかな田舎の街風景や海辺でゆっくりと丁寧に東出の成長を描いていて、過去を乗り越えていく過程を説得力ありきで、それを実直に演じていた
無気力で魂かこもっていない感じがあの話し声にマッチしていたし、ビデオのシーンや怯えるシーン、何気ない釣りのシーンや仲間内の談笑シーンなどはすごく自然でハマりにハマっていた
三浦透子も難しい役所だったと思いますが、人生に迷い里帰りした元教師を穏やかに演じていました
きっと人のためになること、心を動かし導くことにやりがいを感じ教員として務めていたけど、それ以外の側面だったり教員としての挫折を感じての里帰りでしたが、ちゃんと目の前に困っている悩んでいる人がいると、彼女なりのアプローチで導こうとするその気質が、ちゃんと元教員という設定に意味があった
タイトルのとべない風船が、暴雨を知らせるのに吊るしていたり、単に思い出の風船だったり、いつまでも過去から一歩踏み出せずにとどまっている様子を、その縛られて上に飛んで行かない風船への比喩だったり、ポスターの逆さまなのがあることを境に見る世界が変わってしまったことの比喩だったり、そのポスターの風船が線香花火みたいなのがずっとそこに停滞している感じを表しているんじゃないかとか、、、勝手に想像していますが半分くらいはあってる気がします
空気を感じ真面目な邦画がお好きな方は是非
コメントする