「既視感」MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
既視感
タイムループもの+職場お作法もの+コミュニケーション上級編という作品
コメディーの部分は大変笑わせて貰った 特に上司へのプレゼンでのタイミングネタといってよいリズミカルな映写の件はそのままコント作品として切り取ってもおかしくない最上級な仕上がりである。
タイムループを抜け出す工夫を凝らすことでそれが仕事自身のスキルアップに繋がるという『時と精神の部屋』状態でのトライアンドエラーを無限に繰り返せる夢(結局悪夢なのだが)のようなシチュエーションなんてホントに体験してみたいものだ。あの時こうすればよかったなんて後悔をリセットし続けるのはゲームの世界以外にないのだから。ただ、それを映像にしてしまうとなんか説教臭い部分が鼻につくのは自分だけだろう。どんなに失敗しても1週間後にはやり直せるなんてのは現実にはありえないからね。
さて、"デジャビュ"は過去に似たような風景の記憶の混濁によって引き起されるのは一般的論説で、そこからタイムループだと自覚、もしくは思い込むには何回も繰り返さないと無理がある。あくまで自分に自己暗示を掛けることで確信を得なければこんな現象は一般的には受け入れられない。鳩が窓にぶつかって、鳩型に手の形を机に叩き付ける事できっかけを作り、そしてその既視感から、その後の後輩の予言的中を目の辺りにしての心情の変化は、なかなか今作でも困難な説明であり、その苦労は計り知れないと制作陣に労いたい。なにせそんな事象を説明すること自体、不可能なのだから。既視感からのタイムループへのプラグインをスマートに結びつけられるそんなアイデアをこの先、どの作品が映像化できるか、楽しみである。