劇場公開日 2022年10月14日

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「【今作は、放射性物質の発明の功罪を背景に盛り込みつつ、キュリー夫人の波乱の半生を、若き名女優ロザムンド・パイクが演じる伝記映画であり、知的好奇心を満たしてくれる作品でもある。】」キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 【今作は、放射性物質の発明の功罪を背景に盛り込みつつ、キュリー夫人の波乱の半生を、若き名女優ロザムンド・パイクが演じる伝記映画であり、知的好奇心を満たしてくれる作品でもある。】

2025年9月1日
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鑑賞方法:VOD

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■1893年、パリ。
 女性研究者、ポーランド人、マリ・スクウォドフスカ(ロザムンド・パイク)は性差別を受け、大学から研究の機会を与えられなかった。
 そんな状況下、同僚のピエール・キュリー(サム・ライリー)と共同研究者になり、更に恋愛関係になり、結婚。
 彼女は研究に没頭し、新しい元素ラジウムとボロニウムを発見して夫婦でノーベル賞を受賞するが、当初受賞者はピエールのみであり、腹を立てた彼女は授賞式を欠席する。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・キュリー夫人の伝記は、小学生時代に読んだだけであるが、流石に放射能の発見者であり名付け親であり、且つ二度のノーベル賞受賞者である事は知っていたが、ここまで気難しく、気性が荒く、一方で恋愛に走る人だとは思わなかった。

・ロザムンド・パイクの流石の演技もあるだろうが、知らなかった夫が若くして事故死した事や、妻あるランジュバン(アナイリン・バーナード)と不倫していたとか、ビックリである。
 そして、それにより周囲から蔑視の目で見られ、終生ついて回るポーランド人差別と併せて苦難の人生を送った人である事も初めて知った。

■途中で挟まれる、冒頭とラストで描かれる彼女がパリで亡くなったで1934年後に行われたトリニティ実験のシーンや、広島に原爆が落とされるシーン。
 そして、彼女と娘のイレーヌ(アニャ・テイラー=ジョイ)が、第一次世界大戦時にレントゲン検査で手足切断を免れた多くの兵士たちの姿や、その後のX線治療など、原題の”Radioactive"の功罪の描き方の演出も良いと思う。

<今作は、放射性物質の発明の功罪を背景に盛り込みつつ、知らなかったキュリー夫人の波乱の半生を、若き名女優ロザムンド・パイクが演じる伝記映画である。>

NOBU
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