「エキゾチック」呪詛 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
エキゾチック
中華圏のミステリアスな部分が物語に拍車をかける。
祈りも呪いだとの解釈に頷く部分もあり…冒頭で常識を覆し精神を揺さぶる導入は見事だった。
異文化、特に中華圏が有する雰囲気というか…それが、撮影手法と相まって影響力を増す。
ありそうとか、やってそうとかのイメージを駆り立てるのだ。山奥の村の不気味さったら…格別だ!
無機質なアングルが放つ異様さは絶品だった。
物語も、手が混んでて…強制的に参加者にされる。
画面越しの世界から、見えざる手が伸びてきて手首を掴まれる感じだろうか?
ネタバラしが始まった時に思ったのは「これ…ホントにカルト集団が布教の為に制作したのだとしたらヤバいな。」だった。
まんまと、映画の世界観に囚われていた。
母親が我が子を救う為に、それ以外の魂を生贄というか犠牲にする。昔からある題材ではあるものの、全世界規模で流布できる現代にそら恐ろしくもなる。
インターネットありきの作品で、Netflixとかとは抜群に相性がいいんだろうなぁ。
とはいえ、陰謀論もフェイクニュースも同じような性質を持ち、それを信用してしまった人には、劇中にあったような『細菌』にも感染してしまうのだろう。
つまりは、やろうと思えば実行できる環境があるのだ。ネットの匿名性の闇は深いなぁー。
時間軸が前後するので、?と思う事はあるのだが、その?を解消する為にもっかい見ようと思わないくらいは怖かった。
地下道で祭壇を整える意味とか、鏡を割る行為とか、何故やったのだろう?主人公の背中にお経を書いたのは誰なんだろうとか。
文字の翻訳を聞く5年前の主人公とかは最たるもので…あんた全部知ってたのかと驚く。
まぁ、それも母なるが故の愛情なのだろう。
ちなみにLOVEと愛は同意語ではなく、愛には執着という意味が強く反映されていると聞いた事がある。
似て異なるものだそうな。
中華圏xスピリチュアルの効果を十二分に発揮した作品だった。