「メタファー」ストレンジ・ワールド もうひとつの世界 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
メタファー
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子どもの適性も見極めず、子ども自身の希望も聞かないで、本人に選択させずに「自分の子どもだから、自分に似て◯◯って仕事を継げ」って決めつける親ってサイテーだよね、話をきけやコラ!
ってのが物語の根幹ではあるものの。
人の話は聞かないで、自分が正しいって主張だけ怒鳴りあう三世代が、うざすぎて正直つらい。
また、ビジュアルも設定も古いんだよね。
たしかに地下の異世界の生物たちは、奇異で不思議に満ちてはいたものの。
せっかくの3DCGで、キャラデザインが目ん玉ピンポン球なハンナ・バーベラ時代みたいな後退感。
怒り、笑いなど、ステレオタイプな表情ばかりで、微細な演技からは程遠い。
おまけに家族の中に人種、LGBTQ、多様性をぶち込み、さらには環境問題に命の貴重さ……
石油など炭素燃料を使うことの危うさ(の暗喩)からのSDGs、地球は一つの生命体ってメタファーまで。
公害が社会問題になった数十年前みたいで、なんじゃそりゃって。
重要であるし、現代人が決して目を逸らしてはいけないことなのは理解しますが(決して、これらを見たくないわけではない)。
物語の中に溶け込み活きていれば、これらのテーマが入っていることに意味が出るものの。
冒頭のテーマとは直結せず、本作にはゴテゴテにデコレーションするように詰め込みすぎ。
ここまで未整理に雑だと、面白さの要素にならず、ノイズになってしまっている。
お説教とお節介と多方面への配慮が、邪魔で鼻につくレベル。
結果、作品としての面白さを落としてしまったような。
大地が亀って落ちは、古代インドの「地球平面説」からなのは丸わかりで、古さに話をかけちゃってたし。
配信を待てばよかったかなぁ。
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