「ストップモーションアニメと実写との融合の結果や如何に?」マルセル 靴をはいた小さな貝 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
ストップモーションアニメと実写との融合の結果や如何に?
今年の米国アカデミー賞において、長編アニメーション部門にノミネートされた本作。アニメと言ってもストップモーションアニメと実写の融合ということでしたが、ストップモーションアニメの快作「JUNK HEAD」の記憶もあり、大きな期待を持って観に行きました。
結論から言うと、ストップモーションアニメ自体実写の積み重ねなので、そこにリアルの人間が登場してくると、どうもストップモーションアニメとしての存在意義が薄れてしまい、その点大いに拍子抜けでした。またストーリーも、主人公である貝のマルセルが一族とはぐれてしまう受難と、彼が住みつく家の住人であるディーンとの交流を描いたものでしたが、非常に平板で、感動するというものでもスリルがあるというものでもなく、残念ながら私にとって印象に残るところがありませんでした。
「JUNK HEAD」が独自の言語まで創作して唯一無二の世界観を表したのと比較すると、YouTubeでマルセルの生活を発信して注目を集めるというありがちな展開も、陳腐な感じでした。まあ別作品に引き摺られて評価を下すのはあまり良くないのかも知れませんが。。。
劇中アメリカのCBSテレビのドキュメンタリー番組「60ミニッツ」がマルセルとディーンのことを取り上げることとなり、そのアンカーであるレスリー・スタールが本人役で登場します。アメリカ人であればそれなりの高揚感を得られる展開だとは思うのですが、何せ「60ミニッツ」を観たこともない日本人としては、逆に埒外に置かれた感じで残念度が増すばかり。
そんな訳で、期待が大きかった分想像していたものとかなり違う展開だったので、残念ながら評価は★2とします。