「たっぷり1週間?生きた会話とキャラクター」みんなのヴァカンス とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
たっぷり1週間?生きた会話とキャラクター
夏休み映画の巨匠が贈るエリック・ロメール作品のような心地よさと気まずさ、作品を包む風通しのよさ。そして欠かせないのが水辺。
どう考えても主人公フェリックスが一番いやなやつでイライラだけど、裏を返せばそれだけキャラ立ちした人間らしいってことだろうか?器小さめ拗らせ感に共通性あり。サプライズ!友人"中耳炎"シェリフ(『おおかみこどもの雨と雪』Tシャツ!『ゲット・アウト』の友達思い出した)も相乗り運転手"子猫"エドゥアールも優しくていいやつ。タイトルに偽りなしでそれぞれにスポットが当たるのだけど、赤ちゃんと遊ぶシェリフのパートに基本癒やされる。エドゥアールのちょくちょく女知ってるぜアピールもほほえましい。サーファー風ヤローは確かに腹立つかも。
ただただリアル、そしてすれ違い。いつまででも見ていられそうな --- だけど多分これくらいの尺が一番気持ちよく愛しさあふれて見られる --- ギヨーム・ブラック監督らしさにファンなら思わずコレコレ(待ってました!)と言いたくなるはず。待っているのはそれぞれの夏の終わりとこれからへの予感、新たな一歩。ひと夏の思い出にふさわしい作品だったけど、きっとまたふとしたときに見直したくなりそうだ。実際、こういう単館ミニシアター系はリピートも大アリだと思います。
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