「わからないけど好感が持てる」そばかす またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
わからないけど好感が持てる
クリックして本文を読む
異性同性に関わらず恋愛の感情が湧かないという感覚を持つ三浦透子の主人公と、それを理解できない周囲のギャップが複層的に描かれる本作。画作りも脇役に至る役者も含めて丁寧な作りには好感が持てる。ただそうした感覚を持つ主人公の主張は頭では理解できるものの、その痛みが理解できなかったというのが率直な感想。
見合いをきっかけに意気投合した、一般的にはかなりいいヤツのラーメン店主も、恋人としては受け入れられない。しかしラスト近くに知り合う北村匠海演じる同僚が自身と類似した感覚の持ち主かと仄めかされ時点で彼女が得た安心感、これはもしかして恋愛に近いものと言えないのか?などと考えてしまった。
前田敦子は非常にいい役で、このくらいの助演の方がいいのだが、例え地方の選挙であっても演説中に大声をだして近寄るというのは安倍元首相の銃撃事件後では有り得ないのではと思った。
その他、坂井真紀に田島令子(私にとってはクイーンエメラルダス)、三宅弘城に伊藤万理華の、色々言い合う温かい家族描写は最近ではむしろ珍しくて良かった。
そして本作も「よだかの片想い」と同じメ~テレ制作の(not) HEROINE moviesとのこと。「LOVE LIFE」も含めて良作で存在感を増して来ており頼もしい限りだ。
コメントする