「映画監督という仕事」地獄 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
映画監督という仕事
ロミー・シュナイダーはじめ役者の衣装合わせのテスト撮影映像は楽しかったし、ロミーは年齢(20代後半)相応の若さと可愛いらしさがある一方で、成熟した女性の底深さが垣間見えて凄いと思った。色彩や時間逆行など実験的試みを映画監督が求めていた時代だったこともよく伝わった。でも監督個人の不眠症や鬱という問題が作品の前面に出るのはどうなんだ?と思った。基本的に一人で作り上げることが可能なアートと異なって、映画はスタッフ、俳優、お金、場所、時間など沢山の人と事柄が関わる。そんなアートにおける映画監督の意味と役割を特に今の時代、より深く考えざるを得なかった。俳優は監督のおもちゃではない。恐喝的に同じ演技をやらされたりダメ出しや繰り返しや長時間労働を求められる役者やスタッフはやりきれないだろう。
このドキュメンタリーを「ロミー・シュナイダー映画祭」に組み込む意味が私にはよくわからなかった。「未完の映画・監督祭り」だったらまだ理解できる。
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