ザ・ディープ・ハウスのレビュー・感想・評価
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縛られてたよね?
フランス南西部の森の中、人知れぬ湖に沈む一軒家を撮影しにやって来た廃墟映像を投稿するYouTuberカップルの話。
秘密の場所を期待して湖底に沈む家の撮影にやって来た湖がレジャー施設状態になっていてがっかり…と思いきや、そこで知り合った男にガイドされ、地図にも無い件の湖へ行くことになり巻き起こるストーリー。
何故か封鎖されていたり、家の中がヤケにキレイだったりと違和感を覚える中で、不穏な事態に展開していくけれど、あらすじ紹介に記されている塞がれた出口って、そんな感じで塞がれてんの?と、ある意味衝撃的な唐突さ。
しかもそこに疑問は抱かないのか?という感じを抱きつつ、夢か幻視か異世界か?
終盤急に説明的にその家のことが示されているけれど、行われていたそれがどんな意味をなすのか解らないし、何で今こうなっているのかも示されず何の納得感もなし。
これじゃあただのお化け屋敷ですよね。
結局のところ、なんとな~くそれっぽいことを並べ立ててホラーにした雰囲気作品だった。
ホラーに理由を求めるのはナンセンスだとは思うけれど、呪か怨か因か、はたまた魔や妖等々、何らかの念や思惑や目的の様なものがないとね。
設定は良し
水没した屋敷が舞台という珍しい設定のホラー映画だ。監督を努めるのは「屋敷女」のコンビである。POVだとかホラーを盛り上げるアイコンが度々出てくる中で、水中というのは新感覚である。水という物は存在自体が閉鎖的で、水特有の怖さは誰しもが知っている物であり、本作においても十分にその能力を発揮している。製作サイドの苦労が見える様なシーンの連続であり、完成させた演者含めキャスト全員に拍手を送りたい。登場人物が極めて少ない為、端キャラがザクザク切り刻まれる様なシーンは無いが、酸素残量という制限時間の様な縛りがあるのもハラハラさせられる物であり、手のひらにじっとりと汗をかいてしまう怖さが何とも言えぬ絶望間や焦燥感を生んでいた。
主人公のカップルはコツコツと動画をアップするYoutuberだが、近頃はSNSを介して犠牲になるキャラが多くなってきた。この2人もそんな犠牲者の仲間入りを果たしてしまう訳だが、どうも2人の行動にイライラさせられる事が多い。冒険心は大事かも知れないが初めて行く場所に対して警戒心が皆無というか、危機管理能力が虚しいのである。時折心の中で「バカだなぁ・・・」と呟くことが何度あったことか。もっと慎重に事を進めるのがきちんとした冒険家である。
終盤で映写機がこの家にまつわる出来事をご丁寧に教えてくれるという良いのか悪いのか分からないシーンがあるが、物語としてはそれも含めて見やすい作品だと思う。恐怖度も中程度であり、ホラー初心者向けかも知れない。残念だったのは、目新しい物が水中映像というだけで、内容に関する驚きはほとんど無かった事だろうか。だが、やや嗜好が進んだ前作の「恐怖ノ白魔人」よりも万人受けしそうな作品だと思う。日本では公開館数が少ないが、公開してくれた事に感謝しつつ、文句なしの☆3判定。
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