「京町ロワイヤルは夢だったのか...」嘘八百 なにわ夢の陣 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
京町ロワイヤルは夢だったのか...
前作はすご〜く面白かったし、すご〜く楽しみにしていた本作。無論、公開日に鑑賞です。しかし、予想外の期待はずれ。シリーズ1作品目のダダ滑りが帰ってきてしまった。前回はなんだったんだよ...。
確かに、予告から大丈夫かな?という不安はありましたよ。前作よりもキャラクターは濃ゆくないし、キャストも少ないし、ストーリーにもあまり引きがない。だけど、武正晴監督ならやってくれると思ってました。あの成功があったから。なのに、どうして...。ライバルや新キャラどころか、小池(中井貴一)や野田(佐々木蔵之介)も輝いていない。あの胡散臭さやどうしようもなさはどこへ。
ただ、鳳凰という骨董品自体はすごく面白いものであって、いい目の付け所だったのかなと。塚地武雅に関しては前作以上にいい味出していたし、ストーリーが感動に振り切らず、前作同様笑えるどんでん返しに重きを置いていれば、いい作品になったと思います。織部のはたかけと並ぶくらい、面白みのあるものだったのに...勿体ない。
オチのガッカリ感も半端じゃなかったし、素直に前作の正当な続編として、志野(広末涼子)と組む物語であって欲しかった。前作が好きな人は、おそらく皆それを求めていたんじゃないかな。感動ものの割には色々と雑だし、驚きもないし。いちいち会話が笑えたり、ラストにいくまでの工程だったりは、今までどうり面白かったから、より悔やまれる。
ひとつ、本作を見ての大収穫は、中村ゆりはボブがすごく可愛いということ。あと、こういう冷酷な役も似合うということ。この嘘八百というシリーズに合っているかどうかは別として、すごく魅力的なキャラであり、おかげで楽しめました。最近、映画の出演が多いけど、毎度爪を残していて素晴らしいですね。
今回は残念だったけど、2~3年後の新作に期待することにして、その間は2作品目をリピートし続けよっかな。良くも悪くも正月らしい映画。緩さを楽しみたい方はぜひ。