「コトー先生のヒーローショー」Dr.コトー診療所 みなとさんの映画レビュー(感想・評価)
コトー先生のヒーローショー
命をすり減らしてまで頑張るコトー先生に、それでも頼ることになってしまう島の医療体制を非難する新米医師。ついに倒れるコトー先生の側で、何もせず傍観するだけの島の大人達と、ほらみたことかと悲しみに暮れるだけで、これまた何もしない新米医師。終いには倒れているコトー先生に「諦めないぞ!」と叫ぶ原さん。そして立ち上がるコトー先生。
コトー先生を酷使することを非難しているのに、その次には酷使されるコトー先生を美徳として描いていて、結局何がしたいのかよく分からない。島の医療体制を非難する描写を入れているなら、その後、コトー先生に心配させないように島全体でギリギリまで頑張るけど、結局最後に頼ってしまう、ぐらいの案配が、ヒーローショー的にもちょうどいいと思うのだが、重病のコトー先生に、あまりに始めから大部分を頼りすぎていてモヤモヤ。
コトー先生もコトー先生で、重病が発覚したのに、本土の病院に入院せず、仕事しながら自分だけで治療を続けようとする。そうして無理をしてでも島での診療を続けようとするコトー先生と、それを止めようとする星野家。「妻子を考えて!」という彩佳さんに対し、「考えてないと思う?」と言って「死にたくない」、と泣くコトー先生。
島と妻子のことを考えてるんだったら、入院している間の心配よりも、自分が死んでしまった場合の将来のことを心配して早く入院しろよとモヤモヤ。
それでもそれなりに感動したし、生田絵梨花さんも可愛かったし、星4つ。何よりDr.コトーをまた作ってくれて、それが駄作でないことが嬉しい。
最後はめちゃくちゃご都合主義だが、個人的にはご都合主義万歳🙌結局はフィクションだし、どう締めるかは作り手次第。
ただしこの映画の感性をまともに受け取って、日常生活に反映させたりしてはいけない。疲れたときは、周りに気を使わずしっかり休もう。
仕事では感情を優先しすぎず、合理的に考えてトリアージしよう。