「離島医療に邁進する医師の生き様」Dr.コトー診療所 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
離島医療に邁進する医師の生き様
人気TVシリーズの16年後を描いた作品。16年前に頼ることなく、今をしっかりと描いている。歳を重ねても変わらぬ島民を想う強い意志で離島医療に孤軍奮闘する医師の姿と、彼と島民との強い絆を描いた感動感涙作である。離島医療の現状と問題点にも真摯に向き合っている作品の姿勢が良い。
今作の舞台は、日本の西端にある志木那島。19年前に島で唯一の診療所医師となった主人公・五島健助(吉岡秀隆)は、今では島民に信頼され、唯一無二の存在となっていた。数年前に看護師の星野彩佳(柴咲コウ)と結婚し、第一子の誕生が近づいていた。そんな平穏な状況の中で、健助にある変化が起きていた・・・。
健助を演じる吉岡秀隆の俳優としての成長が顕著である。特に健助の様な優しさの中に強い信念を秘めた日本人らしい役は独壇場である。健助は病魔に侵され、妻と誕生する子を残して死にたくない、死と向き合った患者の気持ちを本当に理解できたと吐露する。今までの己の未熟さを恥じる。歳を重ねても謙虚な姿勢は揺るぎない。
健助の対極に二人の若者がいる。医学を目指し挫折した原剛洋(冨田亮)と、離島医療を勉強にきた新人医師・織田判斗(高橋海人)だ。織田は、健助のやり方に不満を持ち、剛洋は自分の将来に不安を抱えていた。
折しも、島に台風が襲来し、負傷者が診療所に次々と運ばれ、健助は周りの制止を振り切り病を押して治療を行う。織田は、健助依存の現状に怒りながらも、懸命に手術を続ける健助を支え続ける。剛洋も、健助の代わりに懸命に蘇生行為を続ける。
手術前の健助の所作に凄味がある。疲弊し乱れる呼吸を整えながら天井を見上げる。静かに集中力を高め鋭い眼光でメスを握る。修羅場と化した診療所での健助の姿を見て、織田と剛洋は覚醒する。
ラストシーン。言葉はなく映像表現のみ。吹っ切れた織田と剛洋の表情と誕生した子供の姿が印象的。この三人が健助の意志を受け継ぐことを示唆している。三人の成長した姿を観たくなった。
みかずきさん、共感、コメントありがとうございます。
医師として大挙して押し寄せる患者をどうするか、2人の意見が全く違うところに感銘を受けました。
軽傷ならば看護師の手当だけでも大丈夫。
島民すべてが家族みたいなものだから、トリアージなんてとんでもない。
おっしゃるとおり、吉岡秀隆にしかできない素晴らしい医者の姿を見せつけられましたね~
今晩は。
コメント有難うございます。
今作は、評価が分かれていますが、私は漫画やドラマは一切観ていないのですが、Dr.コトーの聖人の様な人間性に惹かれました。(だから、多くの人に愛されているんだろうなあ、と思いました。)
台風でトリアージを迫られる中、自らも病に倒れるシーンの解釈は、多くの人が違和感を覚えているようですが、私は”是”としました。
拙レビューにも記載した通りです。だからと言って、否定的に捉えた方々の観方を否定する積りもありません。
映画は当たり前ですが、観る人の感性により見方が変わりますからね。
ラストシーンが今作の価値を高めたと思いますし。仰る通り二人の医師を目指す青年の成長物語でもありましたね。
では。返信は不要ですよ。
こんばんは
みかずきさん😄
お久しぶりです。
3ヶ月?ぶりくらいに劇場で鑑賞しました。
本作はどんなに忙しくても絶対に観ようと決めてまして笑。
期待通りでした。
出演者の皆さんがそれぞれに年を重ねてそれがそのまま作品の重みとなったように思います。
それではまた~😄