「間抜けな犯人に間抜けな警官、そして間抜けなシナリオw」薄氷 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
間抜けな犯人に間抜けな警官、そして間抜けなシナリオw
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囚人護送車が外部の敵に襲われ、警官隊が皆殺しに遭う中、残った1人の警官と囚人たちが協力して敵と戦う…何となく、有名なジョン・カーペンター「要塞警察」を思わせる設定にそそられて見てみた。
ところが残念ながら敵が強すぎて、警官と囚人が巻き返せる余地がない。せいぜい車両に放火されたのを協力して消し止めるくらいの話。
一方、これだけ強い敵が実は単独犯で、囚人の一人を突き出せば他のものは解放するという。
その理由がなかなかわからないのだが、最後には彼がその囚人に娘をレイプのうえ惨殺され、死体を遺棄されたのを恨んだのと、遺体の遺棄場所を自白させるのが動機だと分かってくる。それなら初めからそう説明して、突き出させればいい話だが、そうはしないでいたずらに時間を空費するのは間抜けすぎる。
最後に氷の張った湖に護送車を乗り付け、全員溺れさせようとすると、実は護送車には緊急避難口のあることがわかり、ターゲットの囚人が浮き上がってくる。それを敵は銃で威嚇して自白させようとする。やれやれ避難口があるなら、敵を騙して逃げ出せばよかったじゃないか。そうしなかった警官が間抜けすぎる。
最後に警官はその敵を捕えたうえ、今度はその囚人の腕を銃で吹き飛ばして自白させる。おいおい、ここは警官がつまらない職業意識を発揮するところじゃなく、敵に娘の遺体を引き上げさせてやればよかっただろうに。警官さえもっと巧妙に振る舞えば、何人も助かっていただろう。
というわけで犯人は強い割に間抜けすぎ。警官も間抜けすぎ。要はシナリオが間抜けだというオチなのであった。
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