「9作品全く統一性がなくて驚いた」MIRRORLIAR FILMS Season4 浮さんの映画レビュー(感想・評価)
9作品全く統一性がなくて驚いた
「変化」をテーマにした短編映画だということで、みんなどう変化するの!?と楽しみにしたけど、変化の差が作品によって激しかった印象。
1.「名もなき一篇・東京モラトリアム」☆2.5
無職の男が昔の仲間に出会い、もう一度夢に向かう話。
藤井道人監督だからものすごく期待したけど、ありがちなストーリーに強いメッセージ性がなかった。「ああ、この人は長編の人なんだな〜」って思ってしまった。
ただ、機材を扱う仲間たちの音声の人がマイクを置く時は靴の上に置くとか細かい演技はさすがの藤井監督!と思った!
2.「バイバイ」☆3.5
小学生二人の最後の一緒に帰る場面をパラパラ漫画風に表現してると思ったら、後半ムロツヨシさんと大西礼芳さんが登場!二人だけの会話劇が面白かった!テンポの良さとエレベーターが来ないという状況。絶妙!オチもよかった。
個人的に好きだった!
3.「BEFORE/AFTER」☆2.5
コロナ前の私に押し入れから未来の自分がやってくる話。
発想はものすごく斬新できっと合成だと思うけど、それを感じさせない間のとり方がすごかった。けれどオチが弱いと思ってしまった。あとあの女優さんの演技が個人的にリアリティがなくてあまり好まなかった…
4.「星ニ願イヲ」☆1.0
何かから逃げてる男女2人が山の中へ入りどこかへ向かう話。
「え?どこに向かってんの?」「何に逃げてるの?」疑問しかない。主人公の男は怒りで彼女を殴った後に一緒に生きていたいんだよ的なこと言いながら抱きしめるから情緒が理解出来ない。オチもよくわからない。
5.「女優iの憂鬱/COMPLY+-ANCE」☆4.0
女優 伊藤沙莉がインタビューを受けるがそのスタッフたちがコンプライアンスにやたら気にするコメディ。
最初は換気や消毒は共感したが、だんだんエスカレートするコンプライアンスへの意識がそこまで気にする!?ってコメディ路線になっていく。そして何より伊藤沙莉さんのリアル感のあるツッコミがまた面白い!超絶皮肉が詰まって1番笑った!9つの作品で1番キャスティングがしっくりきた。
6.「おとこのことを」☆3.0
無気力な引きこもりの男が亡くなった?(別れた?)彼女のことを思い出し前を向く話。
どういう経緯で前を向き出したのか全くわからなかった。きっかけが弱い気がした。
窪田さんの演技で、本当に無気力で感情がない男を実在させてるように見せてて見入ってしまった!また水川さんの「枯らさないでよ」の声が儚さ満点で私まで心に染みた気がした。
7.「Good night PHOENIX」☆2.5
少年の親友のフェニックス(ニワトリ)と思われるチキンがクリスマスの夜に食卓に“チキン”として上がる。
半分ぐらい内容はわかったけれど、最終的に何が言いたかったのかわらかなかった。ただ映像の色彩がとてもキレイだった。
8.「シルマシ」☆2.5
危篤状態の祖母に何もできることがない少女は森に行ってみると祖母に似た人を見つけて追いかける話?なの?
追いかけて届かなかったから死んじゃったっていうことでいいのかな?この短編映画のテーマの「変化」が全くわからなかった。
方言や風景で日本の田舎が再現されていてすぐ世界観に入ることが出来た。
9.「THE NOTES」☆4.5
東京に引っ越してきた孤独で人が嫌いなおじいさんが隣人の少女が虐待を受けていることに気づく。年齢も違い、言葉も通じない二人は音楽を通じて次第に心を開き出す。
とても心が温まるお話でした。少女の言葉を理解しようと辞書で調べ出すおじいさんが人と関わろうする変化が。また、少女の家庭にも変化が訪れる。最後の伏線回収も素敵で人の愛に包まれた作品だった!
伊藤沙莉さん目当てで観に行ったので面白かったけれど、面白かった作品とそうではない作品の差が激しかったかな〜と私は思いました。