「説得力はさておき、ギミックと勢いだけでもかなり面白い。」ザ・メニュー 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
説得力はさておき、ギミックと勢いだけでもかなり面白い。
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劇中のレストランの客たちと同様に、とにかく何が起きてるのかが把握できないまま事態がどんどん進んでいく。意外性で興味や集中力を繋いでいくやり方は過去にもたくさん試みられてきたと思うが、有無を言わさず珍事に巻き込んでいくやり口に頭が下がる。
しかし真意が途中で明かされてしまうと、あまりにも込み入った計画に値するほどのターゲットたちだろうか?という疑問は湧いてくる。ギミックだけで十分に面白いが、作品としてもうちょっとやれるだろうと思ってしまうのは、説得力よりもオモシロが勝ってしまっているせいかも知れない。
とはいえこの映画のオモシロさは否定のしようがなく、クライマックスでアニャ・テイラー・ジョイが繰り出す渾身のトンチや、すっかりカルトに取り込まれてしまったみなさんがチョコレートの帽子を被ってるビジュアルの強烈な可愛らしさなどなど、「よくぞ思いついてくれた!」と拍手したいアイデアの宝庫でした。
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