「最後まで楽しめた」ザ・メニュー キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
最後まで楽しめた
アニャ・テイラー=ジョイが好きなので、それだけを頼りにあえて予備知識は入れずに劇場へ。
(若干ネタバレ風な箇所もありますので、観てからお読み頂けるとありがたいです。)
予告編もろくに見ていなかったが、かなりブラックなコメディホラーだった。
冒頭から何となく提示された「不穏」が、どんどんと表面化し、そしてエスカレートしていく。
「シェフ、次はどんな料理を見せてくれるの?」
悪趣味な自分を突き付けられながらも、次はどんな趣向が?と気が気でない。
ここで集まった客(とスタッフ)は謂わば「食材」で、本当の客はむしろ劇場で観ている我々観客、といった感じに最後まで引き込まれた。
「食通」と「映画好き」って、実は似たところもあるので、こういう難解なコンセプト先行の料理に対して、分かったフリして要らぬ講釈を垂れたり、ここに足を運んだ自分をまるで偉いみたいに感じている人々を私はあまり笑えないでいたりする。
「じゃあお前、そんなに偉そうに言うならキッチンに立ってみろよ」
そんな、ある意味禁じ手的な皮肉もまた楽しかった。
そして、ただのイカれた料理人の話に終わらせず、ちゃんと彼の人生にも想いを馳せるグッとくる趣向もある辺り、また憎たらしい。
結局ダントツに美味しそうなのが「アレ」な訳だから。
そりゃそーなるよね。
そして、アニャ・テイラー=ジョイですよ。
もう最後までずっと可愛くてカッコ良い。
客はともかくお店のスタッフの方には気の毒な話なので、ほんの少し気は咎めるけど、ま、ホラーでありコメディなので…と美味しく頂きました。
時間もコンパクトでテンポも良く、楽しめました。
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