「青春」特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト くまくまもんもんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5青春

2023年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

萌える

テレビアニメ振りに本作品をみたので、知らない間に代替わりが行われ、新入部員の新キャラもいて少し驚いたが、映画の内容を理解する分には差し支えなかった。

私自身久美子たちと同じように吹奏楽部員として高校生活を謳歌していたのだが、卒業して大学生となった私に、当時感じていた様々な情景を思い出させてくれた。教室の匂い、譜面台越しの窓から見える風景、教室に響く自分の音と遠くから聞こえる誰かの音、もう二度と戻ることの出来ないその世界を懐かしみながら、久美子たちの日々の生活を見ていると本作の表現・技術力の高さに至極驚かされる。
絵の綺麗さは言うまでもなく、葉月ちゃんがチューバを吹きおわった後に口元を拭うシーン(管楽器は息の水分が口元に付着する)やマリンバを慎重に運ぶシーン(重厚感や車輪が軋む音)などの楽器的な表現から、脚や瞳孔の動きで表す登場人物の心情表現まで、さすが京都アニメーション様としか言いようがない。原作を読んだことはないが、おそらく原作では文字として表現されている吹奏楽部員特有の人間関係のぎこちなさを、アニメーションのみで表せるのは本当にすごい。

本作は1時間ほどとかなり短い作品となっているが、十分に満足できた。
かなり我儘を言えば、久美子たちの本番の演奏シーンを見たかったことと、他のチームがどんな演奏をしたのかが気になるが、そこは想像で補うことにする。来春新作が公開されるらしいので楽しみだ。

ブールドネージュ