「第三期の予告編として見るなら、まあ合格点。」特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト ブレアードさんの映画レビュー(感想・評価)
第三期の予告編として見るなら、まあ合格点。
公開前に原作を読んで公開初日に二回目上映で見ました。
タイトル通りTVシリーズの第三期の予告編として見るなら
第三期へつながるであろうセリフもあった(自分が確認した限りは二か所)ので、
まあ、合格点です。
ですが、単体作品の劇場公開版として見るなら、やや不満が残りました。
まず、時間が短すぎる。
公開直前に上映時間を知りましたが、え、こんなに短いの?と少し驚きました。
新しく部長となった久美子が自分の練習と部員の様子を見ながら
そのバランスに悩みつつ部活に取り組む様子が描かれます。
今回アンサンブルコンテストということで自分は調整役かな、と
自分からは積極的に動かない久美子ですがそれは部長としての思いからでした。
慣れない部長の仕事に悩む久美子の様子はよく描かれていたと思います。
特にアンサンブルコンテストの他のメンバーに遅れを取る
葉月とつばめの演奏のどこに問題があるのかを見抜く
久美子の鋭さを描いている様子はさすがでした。
それを見抜いたことをフォローする麗奈との関係も、いい。
ただ、アンサンブルコンテストのために編成されたメンバーたちを
演奏のシーンを描かずに集合写真のように並べて示すだけ、というのは、
いただけません。
そこを絵と動きで膨らませて見せてこそ、アニメというものでしょう。
実際練習室でのつばめのマリンバの演奏やおそらく体育館でのコンテストでの
緑輝と求のコンバスの二重奏は音と動きになって示していましたから。
校内選考の結果による代表は部員の投票と一般からの投票の二本立ての投票により
選ばれることなったわけですが、全メンバーの演奏を描いてほしかった。
まあ、つまり第三期の予告編としてはまずは及第ですが
劇場公開の単体作品としては尺としても内容的にもやや不満の残る作品でした。
エンドロールのあとに第三期の一場面かと思われるカットがありましたが
あそこにあの久美子のセリフがつながるのだな、と思いました。
どうやら第三期は来年の春のようですので心待ちにしたいと思います。
その分の原作も、もう読んでますので。