「インディはこれで良い」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
インディはこれで良い
思い返せばインディ・ジョーンズは考古学者でありながらナチスとの戦いに始まり、カルト宗教部族の村というB級映画好みのような話からUFOが出てきたりと、ぶっ飛んだ展開が多いシリーズだったと思う。
1番まともというか楽しくバランスの取れた映画だったのは三作目の「最後の聖戦」だというが私の結論だ。
本作もラストでぶっ飛び展開が待っているのだが、このぶっ飛び展開こそがインディ・ジョーンズらしさだと製作側が割り切った作品だと思いたい笑
現実主義者で、非現実的なことや魔法やオカルト的なことは信じない!というインディが、こういったぶっ飛んだ出来事に巻き込まれていくのが楽しい。
また、インディ・ジョーンズは007のジェームズ・ボンドとクリント・イーストウッドのカウボーイをミックスさせ、そこにスピルバーグやジョージ・ルーカスの思想がふんだんに詰め込まれたキャラクターだと思っている。例えばナチスドイツやキリスト教に対する嫌味が台詞になっているのもこのシリーズの醍醐味であった。
スターウォーズ シリーズで若返り加工やCGで俳優の昔の姿を再現していたので、冒頭の若かりしインディの出来事はディズニーならやりかねないと予想していたのであまり驚かなかった笑
これはつまりその気になればこの技術を使って永遠にインディ・ジョーンズを作り続けられるということも意味しており、すごい!と思う反面、怖いとも思う。
それにしてもモロッコでの無駄に長いカーチェイスシーンや(あのモロッコギャングの婚約者の下りは必要だったのか?笑)、アントニオ・バンデラスの登場シーンと退場シーンの雑さに驚き、タイムスリップしたローマ時代に残りたいというインディ・ジョーンズの弱々しい姿にガッカリし色々言いたいことはあるのですが、
ラストシーンのあれはズルい!!
音楽も明らかに泣かせに来ているのはわかっているが、一作目のマリオンとのあのシーンの再現でまんまと落涙。
ラストショットまでおじさん接待が素晴らしい。
「3時10分、決断のとき」、「ウルヴァリン」シリーズ、「フォードVSフェラーリ」など汗臭い男のアツい映画を撮ってきたジェームズ・マンゴールド成分はかなり控えめ!!(カーチェイスシーンは彼らしかったですが。)
タイムスリップがローマ時代じゃなくてちゃんと大戦中に行けて、ナチスとのクライマックスバトルだったらアツかったのになぁ。。
同感です!
モロッコの下りもまったくなくてもお話成立します(笑)
最後ダイヤルが手元に残っているので、ここから先の冒険は??察しろみたいな委ねエンドなのでもうちょっとスッキリしてもよかったかも。