「最高の宝(じんせい)の見つけ方」インディ・ジョーンズと運命のダイヤル しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
最高の宝(じんせい)の見つけ方
インディ・ジョーンズ・シリーズ第5作。
TC PREMIUM THEATER(Dolby‐ATMOS)で鑑賞(字幕)。
凝ったプロローグから魅せてくれる。CGによる若返りインディが疾走する列車の屋根の上で繰り広げるアクションは、お馴染みのBGM(ジョン・ウィリアムズはなんて偉大な作曲家なのだろう)が鳴り響く中、1作目の「ミッション:インポッシブル」のクライマックスを彷彿とさせるスリルが炸裂し、後の展開への期待を抱かせるに充分過ぎる導入でした。
ところが心からワクワク出来たのはここまで。これまでのシリーズにあった痛快さを感じることが出来ませんでした。
アクション・シーンは迫力満点。カーチェイスなんてハラハラ・ドキドキの連続なのに何故か気分が上がらない。
ハリソン・フォードが老体に鞭打って披露してくれたアクションに往年のキレが無いのはこの際問題にすべきじゃない。
タイムスリップする展開は予想外で面白かったけれど、敵を倒しても全然スカッとしないし、敵の死に方も微妙でした。
活劇感の薄かったことがワクワクの足りなさに繋がっているのかも。監督が変わるだけで、こうも違ってしまうのか?
大好きな映画である「フォードvsフェラーリ」の監督だから期待していただけにかなり物足りない気持ちでした。
それでも、インディ・ジョーンズの老いを真正面から描いていたことは良かったと思います。己の総決算となる冒険を成し遂げたことで、素晴らしき人生と云う最高の宝を手に入れたインディ。これはさすがにうるっと来ました。まさかインディ・ジョーンズで涙を流すことになろうとは…
「スター・ウォーズ」のハン・ソロや「ブレードランナー」のデッカード、そしてインディ・ジョーンズと、代表的なそれぞれの役の人生を最後まで演じられているわけだから、ハリソン・フォードとは本当に役に恵まれ、幸運にも恵まれた俳優さんなんだと実感。インディ・ジョーンズを最後まで演じてくれたことに心から「ありがとうございます」と言いたいです。
[余談1]
ディズニーの配給になったとは言えシンデレラ城から始まったことに驚かされ、その後にパラマウントのマークが出たことにホッとしましたが、マークの山が現実の風景に重なるいつもの演出が無くなっており、残念に思いました。
[余談2]
マッツ・ミケルセンの怪人感がたまらない。
[追記(2023/12/02)]
吹替版且つテレビで観ると印象が全然違って観れました。映画館で観た時は活劇感が少ないなと感じましたが、全くそんなことなかったです。めちゃくちゃハラハラしました。
家だと「危ない!」とか「そっち行ったらだめ!」とか、声を出して観れるからでしょうか。このシリーズをテレビ放映の吹替版で見慣れていることも関係しているかもしれません。
[以降の鑑賞記録]
2023/12/02:Disney+(吹替)