「【英国貴族と使用人たちの夫々の新たな旅立ちを、恋とユーモアを絡めて描いた作品。”ダウントニアン”でない方は、事前に”人物相関図”を把握しておくと面白さは倍加するのではないかと思います。】」ダウントン・アビー 新たなる時代へ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【英国貴族と使用人たちの夫々の新たな旅立ちを、恋とユーモアを絡めて描いた作品。”ダウントニアン”でない方は、事前に”人物相関図”を把握しておくと面白さは倍加するのではないかと思います。】
ー ダウントン・アビーシリーズはドラマは未鑑賞だが、第一作目は映画館で、鑑賞した。そして、脳内フル回転で観乍らも、”これは、10年以上人気が続くはずだ。”と思ったモノである。-
◆感想
・今作は、”クローリー家”を収めて来たゴッドマザー、バイオレット(マギー・スミス)の若き頃の、秘めたる恋と、サイレント映画からトーキーに移行して行く様を並行して描いている。
ー ”クローリー家”に映画を撮りに来た、ハリウッド映画監督と、男女のスター二人。雨漏りが激しい屋敷補修のために、バイオレットは映画撮影を許可するが、主演女優の横柄な態度にオカンムリ。部屋に籠ってしまう。-
・一方、バイオレットの若き頃の恋が切っ掛けで、南仏の別荘を贈られた事を切っ掛けに、バイオレットの長男ロバートを始めとして、”クローリー家”の面々は南仏へ・・。
ー ”もしかして、フランスの血が入っている?”と心配するロバート。但し、この南仏パートは巧く描かれていない気がする・・。-
・ハリウッド映画監督は、映画製作会社から、”サイレントでは客が入らないから中止”と言う連絡を受け途方に暮れるが、急遽トーキーに切り替える事を決意する。
ー 主演男優のデクスターは好人物でもあり、皆から好かれている。そして、トーキーも見事にこなすが、高慢な主演女優マーサは、トーキーについて行けないし、台詞も巧く言えない・・。出自が貧しいからである。-
■ダウントン・アビーシリーズは、英国貴族たちと、使用人達との関係性が、良好に描かれている点であると思う。
・マーサに対し、使用人のデイジーは激を飛ばし、マーサも”貴方は私の死んだ妹にソックリだわ・・”と言って撮影に復帰する。さらに校長先生モールズリーは脚本家としての資質を開花させ、ずっと恋心を抱いていたバクスターに求婚するシーン。クスクス笑いながら鑑賞。何で、あんなところにマイクがあるんですか!求婚の言葉を聞く、映画スタッフ、貴族、使用人・・。
・更に、”クローリー家”のしっかり者の孫娘、メアリー(ミシェル・ドッカリー)はマーサの”声”をキッチリと吹き込み、大喝采。
・そして、執事のトーマスは、主演男優のデクスターから”ハリウッドに来ないか・・”と誘われ、新たな道を歩むことを決意。
ー 私は、このシーンをホモセクシュアルの萌芽として観ていた・・。新たな、生き方だからね。-
・マーサも、ハリウッドで頑張る事を決意する。
<ラストの、”クローリー家”を収めて来たゴッドマザー、バイオレットの安楽死のシーンの後の、トムとルーシーの可愛らしい赤ちゃんの姿は、世代交代の暗喩であろう。
第1作、今作と鑑賞し、人物相関図も頭に入ったので、第三作希望である。
それにしても、30名近い登場人物を濃淡はあれど、キャラ立ちさせた脚本は見事だなあ、と思った作品である。
私も”ダウントニアン”の端くれになったかな・・。>
トーマスは同性愛者なんです。
こいつは本当に変わりましたよ。
前は性格悪かったですから。
戦争に行っても、わざと怪我して戻ってきたし。
こんなに良い子になるとは、人間年取ると丸くなるものですね。