「電車男ならぬマンホール男」#マンホール レントさんの映画レビュー(感想・評価)
電車男ならぬマンホール男
ワンシチュエーションスリラーの本作。こういう作品は低予算で作れる分、優れたアイディアと緻密な脚本が要求される。
ネット民を利用して脱出を試みるというアイディアは今となってはやりつくされている感があり新鮮味はあまりない。では脚本は緻密かと言われると結構穴だらけの脚本というしかない。
いろいろと主人公が賢くないし、まあもともと能力のない人間が賢い人間のふりをしていただけなんだろうけど、その真相もどんでん返しを狙ったんだろうけどこれもかなり反則に近いし、説得力にも欠ける。
せめてそれらしい伏線がちりばめられていればまだ良かったんだけど、何の伏線もなく主人公の正体がこうでしたと言われても、まんまと騙されたとはならず、ちょっと無理がありすぎるだろという感想が先に来てしまう。
そもそもいくら顔を変えても性格や能力まで真似できないだろうし、別人に成りすまして順風満帆な人生を送れるようにはならないだろう。
まあ、所詮は作り話だからということなんだけど、いくら作り話だとしてもリアリティがなさ過ぎて見終わっても何も残らない作品ではあるかな。
ちなみに殺害したのはかなり前だろうになぜ死体が白骨化してないのだろう。ガス爆発で無傷でいられるんだろうか。自分を陥れた犯人が恨みによる犯行だとしたら真っ先に殺人という罪を犯したことを思い起こすと思うし死体をマンホールに捨てたこともすぐに思い出すと思うけど、などなど脚本に穴がありすぎて、ずいぶん強引にこの内容で企画を進めたんだなあと感心させられた。まあ、かなりの低予算だろうから企画も通ったのかも。これは映画館で観なくて良かった。
ちなみに同じようなワンシチュエーションスリラーなら「ホーリートイレット」がおすすめ。結構ぶっ飛んでて笑えます。あちらのほうが断然面白かったです。