C.R.A.Z.Y.のレビュー・感想・評価
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アイロントースト
1960年のクリスマスに産まれた5人兄弟の4男坊と家族達の話。
平凡で退屈な世間の父親とは違う、子供達に「男らしさ」を求める父親と少し歳の離れた3人の兄達、そして少し歳の離れた弟に聖地巡礼を夢にみる母親を持つ主人公ザック。
7歳の時に父親を敵に回す出来事が起き、以降自身に悩み葛藤し…。
母親は結構普通だけど、個性的な父親と、随分タイプが違う兄弟の中でも特に個性的な次男と四男。
なるほどCRAZYではなくC.R.A.Z.Y.なんですね。
主に6~7歳、15~16歳、そして20歳の主人公を中心にみせていくけれど、言っていることはやみせていることに大きな波はなく、案外一本調子。
話し自体は嫌いじゃないしつまらなくはなかったけれど、内容の割に長いし、それでいて少し味がボケでいる感じもして物足りなかった。
【C.R.A.Z.Y.が頭文字の5人兄弟と、両親との関係性の変遷を、1960年代当時の同性愛者への偏見を背景に描き出した作品。家族とは、時にぶつかり合いながらも、深い絆で繋がれているのである。】
ー 1960年のクリスマスに、カナダの地方都市で生まれたザック。(マルクアンドレ・グロンダン)は、怪我人の事を考えるだけで、その人を直す事が出来る特別な才能を持つと、周囲から信じられている。ー
・だが、3人の兄との関係は最悪。(その後、5男が誕生)
・ザックは、父ジェルヴェから愛されつつも、幼き時に生まれたばかりの5男を女装して面倒を見ていた事を見られた事から、同性愛の傾向がある事を激しく非難される。
・そんな、ザックが自らの誇りを守るために頼ったのは、ガールフレンドのミシェル、ロックンロール(特に。グラム・ロック)、母が憧れる聖地巡礼・・。
・だが、救いへの道はナカナカ見つからない・・。
・そんな中、ザックとの関係性が最悪ながら、実は最も近い存在だった次兄レイモンの薬物死が突然訪れる・・。
<ザックの家族が兄弟たちが小さき時から参列する、それぞれの想いが交錯するミサや、長兄の結婚式、次兄の葬儀などの儀式の描き方が秀逸である。
ザックが成人し、エルサレムを旅している時に見つけた、幼き時に割ってしまった父が大切にしていたレコードを見つけるシーン。
そして、初の男性との経験後、砂漠を歩くザックの姿の映し方。
又、デヴィッド・ボウイのペインティングの真似をしたザックが愛するボウイの名曲”Space Oddity"などの歌が物語を彩る。
今作は、深い繋がりがありながら、時代的な同性愛者への偏見やお互いの齟齬により、時にいがみ合いつつも、根底では深くつながっている家族愛を4男ザックの人生を軸に描いた物語である。>
■何故、この作品が2005年に日本で公開されなかったのであろうか・・。
謎である。
音楽に彩られた青春映画
主人公が、シド・ヴィシャスみたいで、
デビッド・ボウイ、ローリング・ストーンズ、ジェファーソン・エアプレイン、などなど、の音楽が流れ、
『イージー・ライダー』、ジャニス・ジョプリン、ブルース・リー、などなど、のポスターが部屋に貼られてたり、
60年代70年代の文化が楽しめます。
ただ、アメリカじゃなくカナダが舞台です。
主人公の成長と、彼の少し変わった家族を描く、青春映画です。
60年代70年代の、音楽やファッションや車など、それだけでも、とても楽しめました。
こういう映画、見たかった
パパは音楽大好きで人前で歌う唄が決まっている「マイ・ウェイ」おじさん。でもこれほど家族と向かい合い笑い喜び怒り心配する父親は居ない。ママは子ども皆を愛して聖地エルサレムに憧れている。ザックとは心が通じているからどんなに離れていてもザックの苦しみがわかってしまう。そして遠くからザックを救う。神からギフトを与えられたのはザックだけでなくママもだと思う。
ザックは喘息治したい。吸入器から解放されたい。その治したい喘息にザックの葛藤や父への憧れや自分のアイデンティティの不確かさへの苛立ち全部が込められているように思った。子ども(すごく可愛い。監督の次男!)のザックが青年になるのが水の中!「いだてん」の河童のまあちゃん(阿部サダヲ)同様。
実際と想像が混ざり合う映像、その映像と登場人物に伴走する音楽の数々、編集がとても素晴らしいと思った。当時のファッション、キッチュな小道具、タバコ、ブルース・リーやデビッド・ボウイの真似、部屋に貼られたポスター、車、個性が際だって皆がいい顔してるファミリー。特に心優しくハンサムなザック、髪型変えたりメイクしたりどんな服装もとても似合ってた。悩みや葛藤はまだまだ続くけれど、ぶつかって愛し合ってハグして心配しあってる家族は、どこにでもありそうで、もしかしたらどこにもない夢の家族なのかも知れない。
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