「山の民への憧れが幾つになっても若過ぎて無惨だった。」帰れない山 カール@山口三さんの映画レビュー(感想・評価)
山の民への憧れが幾つになっても若過ぎて無惨だった。
イタリアの作家パオロ・コニェッティの世界的ベストセラー小説を映画化。
2022年・第75回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した大人の青春映画。
北イタリア、モンテ・ローザ山麓の過疎となった村。
それゆえに美しい村での生活に翻弄された人達が、
現実を見失うほど山活は魅力的なのだが…
だが、かって174人いた村民が今では14人となるほど喰っていけない、
そのことを一番よく知っているのが二人の父親なのだ。
そんな親達の軌跡を若い二人には見えない。
そんな中でピエトロの父が選んだ人生こそ賢明であったことが最後まで見えない、
見えていないことがこの映画が分かり難いところではないか…
しみじみ、
山への敬愛を愚息に理解されずに60半ばで過労死で亡くなったことが痛ましい。
それは、
この映画に出てきた者の中で一番山を愛していたと言うことだ。
^^
山を愛する両親と休暇を過ごしに来た都会育ちの繊細な少年ピエトロは、
同じ年の牛飼いの少年ブルーノと出会い、一緒に大自然の中を駆け巡る中で親交を深めていく。
しかし思春期に突入したピエトロは父に反抗し、家族や山と距離を置いてしまう。
時は流れ、父の悲報を受けて村を訪れたピエトロは、ブルーノと再会を果たす。
^^
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