「銀河はセーラーだらけ」劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos 前編 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
銀河はセーラーだらけ
2021年に25年ぶりに新作劇場版が公開されるなど、人気の輝きを失わない美少女戦士たち。
月の光に導かれ、再び帰ってきた。
原作コミックでも最終章に当たる“シャドウ・ギャラクティカ編”。2部作の前編。
取り戻した平和。
超人気3人組アイドル“スターライツ”がうさぎたちの通う高校に転校。アイドル好きの美奈子や学校中が熱狂するなど皆高校生活をエンジョイするが、うさぎの心は晴れない。恋人の衛がアメリカへ留学。
出発の日。見送りの際プロポーズされ、永遠の愛を誓い合うが…、その時衛は何者かによって消滅させられてしまう…! うさぎはショックからその時だけの記憶を失い…。
再び現れた敵。だが、これまでの敵とは違う…?
敵か味方か、突如現れた3人組の戦士。正体はスターライツの3人。太陽系外のセーラー戦士たち。
太陽系のみならず、銀河中に存在するセーラー戦士。今、危機が訪れている…。
強大な力を持つ“セーラーギャラクシア”が、銀河中のセーラー戦士を襲い、源である“セーラークリスタル”を奪い、星を滅ぼし、配下へ。現れた敵は皆、配下にさせられたセーラー戦士だったのだ。スターライツも仕えるプリンセスと星を失っていた。
ギャラクシアの魔の手は遂に太陽系、地球へ。狙いは、最強のセーラー戦士であるうさぎの持つクリスタル。
うさぎを守る為、仲間が一人一人…。
最大の敵、最大の危機…。
うさぎは立ち向かい、愛と平和を取り戻す事が出来るか…?
2部作の前編なので、設定の説明や新キャラの紹介に忙しい。にしても用語のほとんどに“セーラー○○”と付いてこんがらがってくる。
新キャラのスターライツは男装した女性という設定で、ややこしい。リーダーの星野はうさぎに想いを抱くから、百合的な…?
展開上仕方ないとは言え、衛やレギュラー仲間たちに今回ほとんど見せ場ナシ。って言うか、タキシード仮面って本当に全く役に…。
そのくせ変身シーンや必殺技披露はしっかりサービス。ま、そういうターゲット狙いなのは明白だが、かと言って話が全くおざなりな訳じゃない。そもそも『セーラームーン』は緻密な設定と壮大な物語。
襲撃してくる敵は初出は脅威だが、事情を知ると哀れでもある。何だかちと『まどマギ』を彷彿させた。
それだけに憎々しさはギャラクシアに一点集中。存在も強さもフリーザ級。
消滅した衛や仲間。人としての“死”を意味する。
皆、死んだ…?
私がいるから、こんな敵が…。悲劇が…。
悩み苦しむ。普段底抜けに明るいうさぎも、多感な女の子であり、幾多の運命を背負った戦士なのだ。
肉体は死んだ。だが、源=クリスタルは消えない。また生まれ変わる事が出来る。
ある生まれ変わりであるうさぎ。何故私が…?
それが私である力と運命に導かれて。仲間や愛する人がいて。
今度だって変えてみせる。この危機を、悲劇を。
取り戻してみせる。皆を、運命を。
最終決戦、後編へ。
物語の途中なのでこれくらいの評価に留まるが、OPが前作『Eternal』で使われなかった名曲『ムーンライト伝説』で始まったのは良かった!