「テレビドラマの「貯金」でできた映画。」七人の秘書 THE MOVIE ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
テレビドラマの「貯金」でできた映画。
映画としては飽きさせずに見せてくれる。無駄なくテンポが良いし、アクションシーンもユーモアを交えながら楽しませてくれる。テレビドラマの番外編として見ればそこそこの満足度があるが、映画単体としては少し物足りなさを感じる。
表では優秀な秘書として組織や個人に貢献しながら、裏では法で裁けないような悪を断罪するのがこのドラマの本来の姿である。しかし表の顔であるはずの「秘書」は、今回ほとんど描かれていないので、ギャップの魅力のような要素が薄い。「悪」については、見る側が本当に憎むくらいに描かないと「断罪」の効果が薄い。今回の九十九道山は、確かにずる賢いが、愛嬌もあるしそんなに憎むほどの奴じゃないと思えてしまう。道山と袂を分かった長男の航一は良い人間なのか悪い人間なのか分からないが、この設定は本当にいるのかと思う。
結婚騒動や恋心の揺れ動きがあり、秘書七人の特徴を活かした活躍がありと単純に楽しめる内容になっている。しかし、テレビドラマの貯金でできたような感じがあり、もう少しオリジナリティが感じられると良かった。
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