「中華青年成長物語」雄獅少年 ライオン少年 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
中華青年成長物語
中国の獅子舞。
あの獅子頭は知ったるも、それ以上でも以下でもなかった。
本編のような競技があるのかどうかは定かでないが
(おそらく劇中用のものかと思う 追記:あった! YouTubeで探せば、まったくホラでない映像がわんさか出てくる!)
少なくとも魅力を感じたし、がぜん興味は沸いた。海外に輸出する作品として、それだけでも本編、十分役目は果たせていると思えてならない。
以上に、キャラクターの造詣もさることながら、物語がとにかく良かった。
コメディー全開の前半から、シビアな人間ドラマへ移行してゆく後半。
通して本当に内面から凛々しく成長してゆく主人公はリアルで生々しい。
前半とのギャップに、少しゾッするほどだ。
またラストの見せ方が痺れるほどにカッコいい。
こうもドタバタ喜劇をはさみつつ、どうしてこれほどまで大人な締めくくりがぴたっとハマるのか。思わずにおれなかった。
それもこれもモラハラ、パワハラ、あり得ない。
格差、親ガチャ、と一蹴しておわるようでは成り立たない作品だからで、
ありきと現実を見つめた上で、ならどう立ち向かってゆくのか。
込めたメッセージがキモなのだろうと感じる。
キラキラ量産の日本からは出てこないような骨太さに感服した。
ジブリやら日本のアニメに、ディズニーアニメ、ハリウッド映画など、色々なエッセンスが中国色でマッシュアップされている所も見どころ。
赤を中心とした色の使い方も、洗練されていてよかった。
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