「輝く獅子、その姿を忘れない」雄獅少年 ライオン少年 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
輝く獅子、その姿を忘れない
クライマックスが近づくにつれて、感情に昂ぶりが止まらない。サスケの完全制覇まで、あと一つ。それに近い緊張感につつまれる。
中国のアニメーションは、日本のアニメと別の系統樹に向かっているようだ。実写映像の中で、3Dキャラクターがシームレスに動いているように感じる。それでいて、キャラの表情は自然で、動きのぎこちなさは全くない。
もっと驚くのは、アクロバティックな動き。中国雑技団が行なっているかのように華麗で力強く、究極の人間業に見える。このリアル感と地響きのように聞こえる太鼓のリズムが、獅子舞の前に臨場した気分にさせる。
声優は、実力派を揃えただけあって、感情が揺さぶられる。やはり、山寺さんは泣かせるのが上手い。山寺さんきっかけで、涙腺が決壊してしまう。
時代設定がピンとこないが、社会主義国とは名ばかりの格差を目の当たりにする。中国の矛盾に戸惑いを感じながらも、魚屋チームが勝ち上がって行くにつれ、巧みな脚本が、そんなことを忘れさせてしまう。
輝く獅子、その姿を忘れない。
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