劇場公開日 2024年1月19日

「アシリパがちっともアイヌらしくないのは・・」ゴールデンカムイ La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

アシリパがちっともアイヌらしくないのは・・

2024年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 原作は読んだことがありませんが、ベストセラー漫画である事は勿論知っています。それを実写の恐らくシリーズ映画にしようというのですから、『キングダム』の成功体験から「夢よもう一度」を考えたのだろう事は想像が付きます。『キングダム』は3作を経てもまだワクワクを維持しているのですから、こりゃあ本作も期待しないではいられません。

 アイヌの人々の蓄えた金塊の在り処を求めて203高地の生き残り・不死身の杉元とアイヌの少女・アシリパを中心に有象無象の人間が入り乱れるお話です。

 うむ、強い覚悟の窺える作品でした。しっかりお金を掛けた迫力の映像と軽快なテンポで「一体どうなるの?」の思いをグイグイ引っ張って行きます。ただ、今回は多くの登場人物の紹介的な面もあるのか、話が広がった分、物語の芯と言えるものが少しボヤけた気もしました。でも、それもこれからの展開の礎と期待する事にしましょう。とはいえ、原作はコミック31巻ですから、まだまだ先が長い映画になるでしょう。『沈黙の艦隊』の様に、「この続きは配信で」と言った映画ファンを愚弄するような展開に成らない事を祈るばかりです。

 そして何より、山崎賢人さんは『キングダム』と本作の大作シリーズ2本に主演して体が持つのかなぁ。

 更に、ここからは微妙な問題です。アイヌの娘・アシリパは、近作で確かな実力を示している山田杏奈さんが務めています。その演技に問題はありませんが、気に成るのはその外観です。彼女の顔はどう見てもアイヌの人ではありません。アイヌの人でこの役を演じられる人が居ないのならば仕方ないし、彼女がメイクやCGで顔つきを変えるのは却ってアイヌの人々を愚弄する事になるでしょう。となると、これも仕様がないのかなぁ・・とモヤモヤしていました。

 でも、そこでふと考える事がありました。も、もしかして、アシリパのアイヌらしくない顔つきというのも今後のお話の展開に関わって来るのでしょうか。「アシリパの父母は実は・・」と言ったお話に?あ~、モヤモヤするぅ~。でも、原作を読んだ皆さん、何も教えないでねぇ~。   (2024/1/19 鑑賞)

La Strada