「構成の妙」ゴールデンカムイ 紀伊のハゲタカさんの映画レビュー(感想・評価)
構成の妙
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原作未読で、原作の基本的な設定しか知らずに鑑賞。優しそうな顔立ちの山崎賢人さんが兵隊上がりの乱暴者に扮して大丈夫か?と思ったが、冒頭の戦闘シーンのおかげで、怖い人物に見えた。また、杉元が財宝を求める理由を、後半の回想シーンで明かすことにより、アクションシーンを純粋に楽しむことができた。もし、病気の知人を助けるため、という設定を早々と知ってしまっていたら、さっさと諦めればいいのに、という気持ちが先に立ち、あまり杉元という人を応援できなかっただろう。
人物が入れ代わり立ち代わり登場するが、癖のある人物ばかりで、皆印象に残る。そんな中で、落ち着いた感じのアイヌ老人たちが、平凡な生活を送る多くの観客にとって深く共感できるキャラとして重要だと思った。
アイヌ文化を学ぶことができるし、子供の好きそうなウンコ系のギャグもあるしで、一本調子にならない点も、構成として優れている。
惜しかった点は、架空の人物ばかり(長生きした土方歳三も含めて)の中で、公務員の鑑みたいな永倉新八さんを悪の一員として登場させてしまったこと。それと、白いオオカミが
美しすぎて、とても野山で暮らしているようには見えなかったことかな。
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