「ロケーションの威力」ゴールデンカムイ 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
ロケーションの威力
冒頭の203高地での戦いで観客をぐっと世界に引き込むことに成功している。その後にタイトルが表示されるショット、杉元が一人森に入っていくところをロングで捉えたショット、もキレイで、これからこの雪に覆われた深い森で熱いドラマが繰り広げられるぞという予感を静かに伝える。
実写映画なので、ロケーションが重要だが、本作のロケーションは素晴らしいと思う。森が本物だし、雪も本物だ。そのロケーションの説得力がかなり活かされている。杉本と白石が川に落ちるシーンは本当に寒そうで、アニメやマンガ以上に雪国の過酷さに迫っている。
そして、ヒグマが怖い。CGで作っているのだけど、作り物感をあまり感じさせない出来栄えでここにCG予算のかなりの部分を割いているんだろうなと思う。実写化によって総じて、自然の過酷さが強調された。実写の方が表現しやすいものというのがここには確かにある。
キャスト陣は総じてハマっていたと思うし、アクションも切れがいい。是非とも続編が観たい。
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