「面白いが、本気度が足りない」ゴールデンカムイ 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いが、本気度が足りない
すず推しの俺なので山﨑賢人は気になる存在。いい歳のジジィなので嫉妬するというよりはすずの彼氏として相応しい活躍を願ってます(笑)
それはともかく“キングダム”が望外に面白かったので、大作っぽい本作も何となく期待をはしつつ観賞。
ところで、本作をこれから観る方は知った上で観て欲しい(俺は観るまで知らなかった)ので最初に書いてしまうけど、本作は完結しません。シリーズ化有りきの作品です。一応の区切りは付けてはいるけれど。
【物語】
日露戦争で203高地の壮絶な死闘を生き抜いた元陸軍兵・杉元佐一(山崎賢人)。 帰還後とある事情を抱えた彼は一攫千金、砂金を求めて北海道に渡る。川で砂金を探していたとき、居合わせた男からアイヌ民族から奪った大量の金が今も北海道のどこかに隠されたままだという話を聞く。アイヌを殺して金を奪った男は投獄された網走監獄の中で、金の隠し場所を示す入れ墨を24人の死刑囚の体に彫って彼らを脱獄させたのだという。 24人全員の入れ墨が揃って初めて隠し場所を示す暗号が構成されるとも。
その話を聞いた直後に杉元はヒグマに襲われる。 絶体絶命の瞬間にアイヌの少女アシリバ(山田杏奈)に救われる。杉元は聞いた話をアシリバにすると、金を奪った男に父親を殺されたと彼女に聞かされ、その話は真実なのだと確信する。
金を奪った男は金の在りかを知っているがために今も死刑は執行されずにいることをアシリバに説明し、金を見つければ死刑が執行され、父の敵討ちになるか手を組んで金を探そうとアシリバに持ちかける。アシリバは人を殺さないことを条件に提案を受け容れる。
杉元とアシリバは小樽で情報収集を始めるが、彼らと同じく金を探している陸軍の一部や(今は散り散りになっている)脱獄囚に命を狙われる。杉元とアシリバは何度も窮地を乗り越えながら絆を深めて行く。
【感想】
ストーリー展開は大ヒット作が原作ということだけあってかなり面白いと思う。
が、全体としての出来は「悪く無い」程度か。
ついついキングダムと比較してしまうが、制作陣の力の入れ方がキングダムほどでない。
「もう少し本気でやればな」と感じてしまう。 例えば雪山のシーン。 実際の雪山でもロケしているようだが、ぬるい。 どう見ても春の山だ。冬の厳しさが伝わって来ない。 ヒグマまで登場させて、厳しい蝦夷の自然との闘いも描きたいなら真冬の雪山で吹雪の中で撮れと言いたい。
それをやったのが約半世紀前に撮られた“八甲田山”だが、本当の真冬の雪山で撮ったからこその迫力が感じられる。15分でいいから本気の雪山シーンが挟まれていたら作品の迫力が全然違ったはず。
アイヌについても、エキストラで良いからホンモノのアイヌ民族の人達を使って欲しかった(それっぽい人も一人だけいたが)。こういうところにも本気を出して欲しかった。
アメリカ先住民と白人の関係を描いた“キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン”を見習って欲しい。
アシリバ役山田杏奈も笑えるほどアイヌっぽくない。アイヌって彫が深いし、肌の色が濃い。山田は真逆の感じ。「もう少し近い女優は居なかった?」と同世代女優の顔を思い浮かべたが、・・・
いない(笑) アイヌの人達からオーディションして抜擢しない限り無理か。
実質W主演キャストなので、それもなかなかそれも難しいか。
仕方ないとアイヌっぽくないことを忘れると、山田杏奈が段々可愛く見えて来た(笑)
アイヌっぽくはないけが、アイヌ装束は良く似合っている。
最後に、
いつも文句を書くのだけど、制作会社は本作のように1作で完結しない作品は観る人が分るように“前編”とか“〇〇”編とか明記しろと言いたい。最後まで観て「あれ完結しないのか」となるのは詐欺同然。俺の場合、中盤で「ああこれ絶対金を見つけるまで行かないな」と悟ったが、 それでも完結すると思って観始めたことが腹立た