「アシリパさんと愉快な俳優たち」ゴールデンカムイ sumichiyoさんの映画レビュー(感想・評価)
アシリパさんと愉快な俳優たち
漫画未読、アニメ最新話まで鑑賞済みです。
何かと言われる漫画実写化ですが、ゴールデンカムイは明治末期の北海道を舞台にした現実感ある漫画なので実写化の違和感をそこまで感じず、アニメ版と比較して楽しめる作品でした。
物語は原作を忠実に再現していました。ただ、実写でしか感じ得ない部分も。過酷な雪の大地での戦闘、タイマンの緊迫感、チタタプなど漫画・アニメで分からない場面を実感できました。それに加えて、VFXの進歩もすごい。でも、原作も白だったのかな…。
ゴールデンカムイは物語も然ることながら、個性的な登場人物も魅力的です。本作の登場人物はただ似せるのでなく演者自身の個性も感じました。山崎賢人さんの若く荒々しい杉元佐一、山田杏奈さんの理屈っぽい現代っ子なアシリパ、矢本悠馬さんのピン芸人っぽい白石由竹など、これはこれで飲み込めました。中でも、玉木宏さんの鶴見中尉は俳優イメージと狂気とギャグのバランスが絶妙で原作と違う実写版鶴見中尉を作っていました。
心配だったギャグパートも安心でした。アニメのノリを模倣するのでなく、台本のないコントみたいに自然だったのでホッコリしました。アシリパ演じる山田杏奈さんの力量が垣間見えたシーンでした。
やはり山田杏奈さんのアシリパは存在感がありました。どんな登場人物とも合うが決して交わらない白一点という感じに。おそらくあろう続編で原作同様の存在感を見せてくれると感じました。本作で主要人物が登場したので、いよいよ黄金争奪戦が始まります。原作の長編をそのまま映画にできないのでオリジナル路線になるたろうけど、それはそれで漫画・アニメと比較しつつ楽しめたらいいです。
あと、アシリパさんの顔芸は80点でした。まだいける。