「オソマ食いの杉元」ゴールデンカムイ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
オソマ食いの杉元
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公開に先駆けて8巻まで原作を予習、アニメは未視聴。
ロードムービー的で大きなボス戦もなかったので、どう盛り上げるのかと思ったら…う〜ん…
演出、脚本、編集がよくないため、中盤までのテンポが悪い。(“遅い”、ではなく“悪い”)
冒頭の戦争シーンは冗長で、カメラに向かって一人で「俺は不死身の杉元だ!」と叫ぶのはどうなのだ。
カワウソの蘊蓄は入れるのに“忘れ物”の理由には言及しないなど、取捨選択が上手くない。
ある程度は仕方ないが、アイヌ語をいちいち和人言葉に言い直すため会話が間延びする。
監督にコメディセンスがないのか、矢本悠馬ですらスベり倒していたのが残念でならない。
4人いるのに谷垣のみテロップ付けるのは他はモブだと言っているようなもので、完全なネタバレ。
(テロップといえば、迫真の『小樽』は笑ってしまった)
杉元の動機は中盤までに片付けておいてほしかったし、エンドロール3分割も相俟って盛り上がりより蛇足感が強い。
などなど不満点は多い。
ただ、キャスティングはハマってたし、動物のCGクオリティも最高レベルだったと思う。
(なのに、遊女が投げ飛ばされるところと顔の皮が剥がれるところは失笑ものだったが…)
台詞を実写用に書き直していないせいか棒読みも目立っていた中で、玉木宏だけは抜群に良かった。
狩りや食事、文化的な解説などを省いて本筋に注力すればまだしも、今作では31巻中2.5巻にも満たず。
次作はほぼ決まってるハズなので、諸々ブラッシュアップを望む。
今回はまだよかったが、やはり山崎賢人では次回牛山と対峙したときの力強さが圧倒的に足りない気がする。
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