劇場公開日 2024年9月6日

「偏執的愛情による破綻」チャイコフスキーの妻 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5偏執的愛情による破綻

2024年11月24日
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鑑賞方法:映画館

チャイコフスキーとその妻の結婚生活を軸とした話ですが、
妻アントニーナの結婚前からのラブレター&自宅に招くという猛烈なアプローチは
まあ、この時代だったらあるかも、くらいに思っていました。

チャイコフスキーは女性を愛したことがない、と言って、
暗に自分が同性愛者であることをアントニーナに仄めかすものの、全然気づかない
・・・というより、聞き入れないんでしょうね。意を解そうとしないというか。
己の想いだけで突っ走る、そんな感じです。

チャイコフスキーは妻がいるという体裁と持参金を入手できるという打算、
アントニーナは本当にチャイコフスキーが好きなのでしょうけど、
人気音楽家の妻になるという打算は本当になかったのか?は疑問が残りました。

アントニーナとしては夫婦なんで夫婦関係を求めていく、
チャイコフスキーはそんなの期待に応えられないよ、と結婚前に釘を刺しているものの
お互い思うようにいかないんですね。そりゃそうだろうなと思いますし、こうなるのはわかっていたのでは?
とも思いますが、そこはお互い打算的であったなら、想像力の欠如があっても致し方ないのかもしれません。

アントニーナは、他の男と肉体関係を持っているし、子どもまでいる。でもチャイコフスキーの妻にこだわる。
このあたりの倫理観は破綻しているので、やはりもうちょっとおかしくなってしまったのかもしれませんね。
それにしても、真っ裸の男たちの股間がモザイク無しでやたら出てくるのは、ちょっとどうなの?と思いました。
私はイヤだったな〜。それを掴むアントニーナもイヤだった(笑)

ラスト近くでは若干ファンタジーな世界が繰り広げられ、それはもうアントニーナの妄想だったのでしょうが、
ラストは見ていられないくらボロボロになっているアントニーナには、ちょっぴり同情しちゃいましたね。

それにしても全般に渡って色の薄い&暗い画面づくりは、当時のロシアの状況をよく表しているのでしょうね。
素晴らしいと感じました。
それから、蝿の飛ぶ音が割と多く出てきて、うまくいかない&破綻の象徴なのかなと思いました。

それと、アントニーナ役のアリョーナ・ミハイロワも素晴らしい演技でした。
ロシアの方ですが、はやく戦争が終わって、映画製作での世界的な交流が広がることを期待しています。

ひでちゃぴん
こころさんのコメント
2024年11月24日

ひでちゃぴんさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
本当にそう願いたいですよね。
全てを破壊する戦争が、こんなにも文明が進んだ今も尚行われているなんて、悲劇でしかありません。

こころ
こころさんのコメント
2024年11月24日

ひでちゃぴんさん
高いレベルの芸術を誇るロシア 🇷🇺
薬物問題もあったようですが、スケーターが妖精のようにリンクで舞う姿をいつかまた観たいものです。
プーチンが始めた愚かな戦争が1日も早く終結して貰いたいものですね。

こころ