「パク・チャヌクの歪んだユーモアが弾けた笑えるノワール」別れる決心 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
パク・チャヌクの歪んだユーモアが弾けた笑えるノワール
映画の冒頭シーンから、どことなくシュールな可笑しさが漂っていて、ああ、パク・チャヌクという人は凄惨な映画を作るイメージがありつつも、常に変なユーモアを忘れない人だったよなと再認識。とにかく主人公男女の駆け引きが、バシバシと駒を叩きつけながら詰将棋をしているような感覚があり、特にタン・ウェイの男を翻弄しつつ惹きつける仕草の数々が、名人芸につぐ名人芸で、怖かったり笑ったり、やはり目が離せない役者だなと感心しっぱなし。全体の7割方は謎めきつつも笑えるコント、という見方が正しいかはともかくとして、パク・チャヌクの歪みがとてもオープンな形で現れたエンタメだと思う。
ただハングルと中国語話者の間のコミュニケーションのズレみたいな部分はどうしても字幕では伝わらりづらく(どっちの言葉もできるといいんですが)、吹替版がどう処理しているのかは気になるので、比べて観てみたい。
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