「痛烈な風刺と現実的な人間性の冷静な描写」逆転のトライアングル まっちゃまるさんの映画レビュー(感想・評価)
痛烈な風刺と現実的な人間性の冷静な描写
ブラックコメディ風ポスターだけを見て鑑賞を決めた。人間の優位性は外見や知名度、地位などではかられるのか?やはり金持ちなら何でもできるのか?でももし状況が変わったら、その価値基準は変わってしまうのか?スクリーンからそんな質問を投げかけられているような作品。
途中、社会主義だ資本主義だと酔って大喜利風に騒ぐシーンが個人的にかなり不快だったのは、汚物まみれの人々、揺れる船、騒音に近いわめき声騒ぎ声が、見ていてストレスを感じたからかも。あのシーンの長さ意味ない気がする。もし敢えてだとしたら、タチが悪い。
そして後半の大きな変化が、悲劇のはずなのにそのように見えないのは、どこか楽観的に現状を受け入れ、何が得なのかを考えて従う、人間の浅はかさが出ているからか。驚きのラストシーンで放つ、人気モデルのヤヤの行動とセリフから「人を操るのが得意」って最初に言っていた!と思い出し、彼女の設定に関してはずっと筋が通っていたのかも、と感心。スカッとはしないけど、ラストはちゃんと落ちが用意されていてそれなりに納得したりして。
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