「パルムドールってことを忘れていた」逆転のトライアングル kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
パルムドールってことを忘れていた
遭難して無人島にたどり着き人間関係の序列が変わる。ありがちといえばありがちな設定。サバイバル能力のある人間は強いってことでしょ?的な感覚で臨んだ本作。いろいろとこちらの想像を裏切る展開が待ち受けていた。いいのか悪いのかは微妙だ。
そもそも遭難するまでが長い。冒頭のモデルカップルの話なんてあんなに必要?って思ってしまう。でも、不思議なことに遭難するまでの話が個人的には好きだったりする。レストランの支払いで揉めるカップルの話も面白いし、船の上で繰り広げられる人間模様も結構好きだ。富豪たちと、チップを目当てに従うスタッフたち。それぞれみんなイカれた感じが出ていた。武器商人が語ることやロシアの富豪のわがままとか、現代社会への皮肉がつまっていた。そして遭難しての立場逆転。キャプテンが救命ボートに誘うシーンとか、動物をハントするシーンとか、人間の本性・本能を描くシーンなのにちょっと笑ってしまう。それなりに楽しんでいた。
ただ、最後がどうしても受け入れられない。こうだったのか?と自分なりに想像することしかできない。どこかに考証したページでもあるのかもしれない。そこらへんをわかりやすく描くのはアート的にありえないんだろうか。パルムドールのわりに面白いなと思っていたのに最後で裏切られた。これだからカンヌってやつは!
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