「考察したくなるラスト」逆転のトライアングル BONNAさんの映画レビュー(感想・評価)
考察したくなるラスト
途中立て続けに現れるマーライオン(比喩)の群れに呆然となりながらも、なんとかラストまで観終わりました。
取り敢えず、ビジュアル的にも良い意味でも悪い意味でも印象に残る、強烈な作品でした。
あと、この映画のラストは個人的にハッピーエンドだと思っています。
これはあくまで主観ですが、ヒロインのヤヤは稼ぎ頭ではあっても、実は富豪とは言えなかったのではないかなと。
深読みする理由ですが、
・クレカが使えない。だが、別に華美な物を身につけている訳でもない。→もしかして誰かに送金してお金が無いとか?
・高飛車な富豪達の中で、気軽にスタッフに挨拶出来るだけのマナー(と言うか常識)がある。
・浮世離れ生活からなかなか戻れないでいる富豪達の中で、いち早く現実を見る立場に移行した。
だからアビゲイルの気持ちが他の富豪達よりわかった…と言うより、上っ面を塗り固めたハリボテ達の馬鹿馬鹿しさを理解していたのではと。あくまで主観ですが。
アビゲイルにああ言っておいて、他の船のスタッフ達同様に彼女を使い捨てる可能性もあるので、なんとも言えませんが。
ただ、彼氏が寝取られたことについても、最終的にそこまでの執着を感じなくなっていた(ように見える)こと。出来るなら、恐らく崖の上からアビゲイルを突き飛ばしていたろうに、そうしなかったこと。
状況が変われば強者と弱者は簡単に入れ替わる。自分の身分に執着することの馬鹿馬鹿しさを表現する作品だとしたら、あのラストは悲劇であってはならんと思ってるんですよね。
ところで手榴弾を掴む夫婦の光景。
あれ、わりと社畜の世界あるあるで笑えなかった。
(上層部は部下の仕事を何一つ理解出来ていないという意味で)