「この宿題、春休みだけでは終わらない❗️(ところで、最近、ゲロ映画が流行りなのですか?)」逆転のトライアングル グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
この宿題、春休みだけでは終わらない❗️(ところで、最近、ゲロ映画が流行りなのですか?)
あなたがこの状況におかれたら、どう行動しますか?
無人島に辿り着いた人たちのキャラクターが極端に描かれていないので、実際の自分と置き換えるのに、それほど無理がない設定となっているのが、とても巧い。
ロシアの大富豪だって資産や権威を振りかざすのはほどほどで、割りと素直に環境に適応していました。
あのイケメンくんもそこそこクズな部分を見せるので、それほどおこがましいとは思わずに、自分の立場と置き換えることもできます。
ラストも、シャマラン監督が狙うような〝大〟のつくものではなく、一応、〝どんでん返し〟と言っても差し支えないよね⁈というやや遠慮気味な感じです。
〝奇想天外〟のほうに寄せて作られていないぶん、誰もが登場人物の誰かに置き換わってイメージできる。
しかも、比較的短期間の話なので、極限状態に追い込まれてからの〝本性剥き出し〟的な、見る方もしんどくなるような悲惨な描写もありません。
だから、物足らないと感じる方も多いかもしれませんが、これは、日常の社会生活の中でも起こり得る逆転現象なのだと発想を変えて捉えてみると、とてもハッとさせられます。
男女を問わず(コラっ!そこの君、大きな手振りや指を差しながら人に話しかけるのはやめなさい❗️)、人事異動で上司が変わった時に、その部署の決裁ラインの力関係が、微妙に(だけど当事者にとっては大きく)変わることがありませんか?
予算や人事の権限を持つ部署の長の交代がどれほど、属人的な影響を及ぼすのか。これだけシステムやネット環境が変化してるのに…
ところで、あのラスト、いったいどうなったのか?
彼女がヤヤの発言をどう感じたか、どう行動したのか?
それを考えることが監督から与えられた我々の宿題として残ります。
彼女があそこで10秒でいいから、衝動を抑えてこの先の未来を想像したのか、それともカッとなったまま、両手を振り上げたのか?
ここでのさまざまな選択肢も、あなたの未来を決定づけることになるのだよ。根深い差別意識や〝分相応〟
という概念との向き合い方など、考えることは山ほどあるよね。
そう言われた気がしてます。