「軽やかな顔した努力と情熱の結晶」リバー、流れないでよ 作務衣もんさんの映画レビュー(感想・評価)
軽やかな顔した努力と情熱の結晶
噂に違わぬ素晴らしい脚本!
だけでなく脚本を最大限に活かしたストロングスタイルの演出にも感心してしまう一本
京都にある老舗旅館「ふじや」
従業員と数組のお客の穏やかな時間が流れていたが、唐突にタイムループが始まる
巻き戻る時間は二分
ループものに見られる不穏な事件などが見当たらず、何が何やら分からない面々
日常から放り込まれた少し不思議な世界はどこにたどり着くのか・・・
目に見える事件がなく突如としてループに巻き込まれるという設定にまずワクワク
その設定の中で登場人物たちのてんやわんやのコメディがいきいきと描かれる
油断したときに差し込まれる人間の恐ろしい一面やヒューマンドラマ
最後には気持ちの良い伏線回収
笑えてドキっとさせられて爽やかに見終えられる、エンタメのお手本のような作品だ
しかし、その裏に想像を巡らすと制作者の並々ならぬ努力と情熱が感じられる
雪景色もあるなか基本的にループ毎の約二分をワンカット長回しで撮っているのだ
これが舞台畑の脚本を活かすだけでなく、観ている我々のループ感を高めるのにもとても効果的なのである
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