「ロケーション勝ちの低予算タイムループ映画」リバー、流れないでよ yookieさんの映画レビュー(感想・評価)
ロケーション勝ちの低予算タイムループ映画
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かなりの低予算で作られた映画としては、良く出来た作品だったと思う。こういったタイムループものかつ低予算作品では多いワンシチュエーションコメディではあるが、舞台となる旅館の中にとどまらず、向かいの離れや、建物沿いを流れる川の土手、更には旅館から少し離れた神社の境内など、行動範囲が広がっていくのは面白かった。旅館の構造や周辺敷地の高低差の特徴を生かして、建物の内外で階段を登ったり降りたりを繰り返すアクションが、展開を大きく躍動的に見せていて、観客側も息切れするような不思議な快感をもたらしてくれた。このロケーションがクオリティをかなり引き上げたと思うから、ロケハンスタッフを賞賛したい。同じ時間を繰り返しながらも季節だけは進んでいく設定も楽しかったのだが、あの雪はリアルに降っていたのか?降らせたのか?
「明日なんて来なければいいのに」という、主人公にとっては半ば怨念のような感情がタイムループのトリガーであると、登場人物達も我々観客も勘違いさせられるのだが、誰しもが共感する気持ちなだけに、そうは言っても5分毎に繰り返すくらいだったら明日が来る事を受け入れたいなと、ある意味ポジティブな気持ちにさせられた点もよかった。
昨年(2022)の映画「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」や、今年(2023)のドラマ「ブラッシュアップライフ」を見ていない自分だったら、もっと面白いと思えたかもしれない。
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