「そろそろアジア人にアカデミー賞やっとくか」エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 頼金鳥雄さんの映画レビュー(感想・評価)
そろそろアジア人にアカデミー賞やっとくか
懐かしのキー・ホイ・クァンと素敵なミシェル・ヨーが見たくて見に行きました。約40年ぶりに観たキーは素晴らしかったです。マルチバースの自分をたくみに演じ分けており、アクションもかっこよく、全盛期のジャッキー・チェンを思わせます。こんな良い役者を「白人じゃない」と言うだけで起用しないなんて。アメリカ映画界は大変な間違いを犯しましたね(今も進行中?)、大いなる損失ですよ。アメリカにはこんな隠れた名優がたくさんいるんだろうな。切なくなります。
ストーリーは私には難解で、途中までやや退屈しながら、おもに映像を楽しんでいました。でも終盤に心打たれる展開が。退屈なパートはこの展開に繋げるための壮大な前置きだったんだなあ。でも英語字幕だったので細かいニュアンスがわからなかっただけかも。配信やレンタルで吹替版が登場したらまた見るつもりです。
面白かったし、こころ打たれました。でも人にお勧めするほどではないかな。キーやミシェルはすごくよかった。でもこの映画そのものは他のノミネート作より抜きん出ている感じはしません。なんとなく「ポリコレにうるさいし、そろそろアジア人にアカデミー賞やっとくか」と言う思惑があったように感じられてなりません。穿ちすぎかな。
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