「私はおもしろかったです」エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス robinさんの映画レビュー(感想・評価)
私はおもしろかったです
はじめから全体的にやかましい為、早々に流れから離脱してしまったのが吉のようでした。
こーしてあーしてそうなったを真面目に追ってたら疲れ果てたことでしょう。
とは言え1幕目が終わった時点で、この調子で最後までいったら座布団投げようか…という気持ちでいっぱい、苦笑いでした。
下ネタたちは酢豚のパイナップルのようでした。
あのパイナップルが好きな人にはごめんなさいですが、煩わしいものの例です。
いちいち怒るほどじゃないけど、このパイナップルがなんか多いよって感じです。
マトリックスとアンダーグラウンドとクラウドアトラスを連想する瞬間がありました。
そうして諦めてぼけーっと観ていると何度か自分の母を思い出しました。
エブリンの疲れや集中できてない感じは、私が子どもだった当時の母の何かを彷彿とさせました。
それに私の失敗(?)を祖父母に対してごまかした時!オカンこんな顔してたわ…とか。
そう感じ始めると飲み込みやすくなった気がします。
階段の上のベーグルと対峙する場面はSWへの朗らかな挑戦か、「I am your mother!」は爽快でした。
ライトセーバーでバチバチじゃなくて、まるで愛のようなもので懐柔して進む構図に、作り手の意気込みを感じます。
しかも演じているのはアジア系(少数派)俳優。
判官贔屓も込みで印象深いシーンでした。
なおマルチバースとは何かを知らずに観てたのですが、マルチバース=ifやタラレバがそれぞれ進行してる世界って事でとりあえずいいのか。
ならば、最終的に私は諦めずに愛することにします、というエブリンの態度が全バースの平和に繋がるのは納得で、ひいては作り手側から観客への愛してるよのメッセージに感じられ、すごい!こんな愛し方があるんだ!おもしろい!という感想に落ち着いた次第です。
それにしてもジョイのルックは一体何パターンあるの…多分どれも好みなのに一瞬すぎる。仕方ないのか。