「成程これはワカラナイ」エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
成程これはワカラナイ
並行宇宙が無数に存在するっていう量子力学の多世界解釈をもとにした話だね。『バース』って言ってるけど。
それで、あれやこれやあって、なんか丸く収まって終わるけど、話は良く分からないね。
最初にミシェル・ヨーがカンフーの能力を手に入れるけど、そのときのキレがいいね。『なんで私がカンフーできるの?』って感じで、ゆっくり型をなぞる感じになるけど、キレがすごい。さすがミシェル・ヨー。
それで『あなたが全ての宇宙の中で最低のエヴリンだから、全ての宇宙の力を使うことができる』っていう設定もなんかいい。最低だから最高なんだよ。
エヴリンとウェイモンドは、エヴリンがカンフースターの宇宙がいちばん成功してるっぽいんだよね。お互いに。でもウェイモンドは『君とランドリーと税金をやりたかった』と言ってしまう。ランドリーにやってる二人は最低の宇宙にいるんだよ。それでも、最低でも、エヴリンと一緒にいられる方が良いっていう。泣いた。声をあげそうになったので抑えて泣きました。
そして話は母と娘の対立へ。結局そこへ落ち着くのかって感じなんだけど、まあそうだね。それで決裂するよね。生物が生まれなくて石になってる宇宙で娘が崖から転がり落ちんの。もう、これ、収拾つかないだろって思ったね。
しかし、そこから収拾した。母も転がり落ちるのはすごいね。
それで母と娘の対立も解消され、なんだか多様性を認めたぜみたいになって終わるんだけど、その辺は良く分からなかったな。
でも無数の並行宇宙をこれだけ描いて、それなりい辻褄合わせて最後までもっていける脚本はすごいと思ったよ。