「残念だった。」エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
残念だった。
前情報や予告から、
これは人生を変える映画になるかもしれない
などと大袈裟なことを考えながら見に行った
結果、人生は変わりそうに無い
母と娘の確執が本筋となっていて
母が娘のガールフレンドを父に紹介できなかった
ことが布石となって話が進むのだが、
なにぶんマルチバースの説明が長い。
おたのしみとして
まるでレミーの美味しいレストランのシェフや
ウォンカーウァイの世界観のカップルを挟んでいるのだが長すぎる。
本当に眠くなるレベルで長い。
し、本筋どうでも良くなっちゃうよ、
もっとそこを見せてよって思ったし、
それ以外の要素がたんまり入れられると
まるでエンタメが無ければこの話が映画として成立しないみたいじゃんか。
ガッツリ母娘の話で90分で良かったよ。
もう始まって序盤のアクションシーンで、
観たかったの"これじゃない感"に苛まれてましたよ。
おそらくギャグのセンスやらも合わなくて、
何となく笑うというより、失笑に近かった。
たださ、娘の気持ちは嫌というほど理解出来るし、
その辺の諸々やられちゃうと涙出ちゃうんだけどさ。
しかも今回それを(やり過ぎだとしても)マルチバース
という形で、うまく見せたわけだし凄くはあるのよね。
娘は、自分が母親の理想になれなかったことを気にしていて、母親の別の人生を考える。そんで、今起きてる事はすべて無意味だなんて言い出しちゃう。岩になったりしちゃう。(このシーン、良かった)
その結果、母親の「あなたを選ぶ」という言葉を引き出す。
なんかここでさ、エンタメ盛り盛りのパラドックスを見てきた君らはそれで納得でいいかもしれないけどさ、現実はどうなの?って思ったりしちゃった。
パラドックスもマルチバースもない現実世界で、本当に母親はその事に気付けるの?そういう答えを出してくれるの?パラレルワールドを選ばない保証はあるの?無いから映画が見せてくれたの?気づかないから映画が教えてくれるの?
と、取り止めのない私的なことを考えてしまいましたよ。。
そんでもって、私はもっと痛い気持ちとして表現出来るんじゃないかと思ったし、こんなモンじゃない、と思った。もっと、もっとだよ。こんな痛みじゃない。