「これを受け入れられるアメリカ人の懐の深さ」エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス TOKIESさんの映画レビュー(感想・評価)
これを受け入れられるアメリカ人の懐の深さ
マルチバースものは増えたものの、ここまで馬鹿げた設定はいかにもアメリカ人らしい。様々なものをぶち込んだコメディSF映画だが、あらゆるカットでユニークな演出が多く独創的な作品となっている。新しいものを評価するアメリカ的気風は素晴らしいと思う。
下品なジョークは日本人は冷める人も多いだろうし、途中退出者が続出していたので、肌に合わない人も多いかもしれない。
ただ後半のエブリンが夫の視点での闘い方をマスターするシーンあたりからこの映画が「愛」が世界を救うという普遍的なテーマが見えてくるので、拡散していたエピソードが集約されていく。
低予算でマルチバースものを描くのは大変であったと思うが、良質なアクションやアイデアで視覚的に楽しめる作品にはなっている。ただこの程度の家族愛で泣かせようなんて、内容自体は平板で浅いので、感動は今ひとつできない人も多いのではないだろうか。
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