劇場公開日 2023年3月3日

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「母と娘の家族愛がテーマだけれど…?」エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5母と娘の家族愛がテーマだけれど…?

2023年3月4日
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鑑賞方法:映画館

本年のアカデミー賞10部門・11ノミネートを果たした、話題の作品ということで鑑賞。アカデミー賞作品と言えば、最近はエンター・テイメントな作品より、ヒューマン・ティックな作品が受賞する傾向にある。本作もそうしたテーマを中心に据えながらも、マルチバースなSF的な要素やカンフー・アクション、下ネタ、笑いも取り入れ、観る人を楽しませる趣向を織り交ぜながらの作品となっている。

アカデミー賞の有力作品だけあって、評論家的には本作のレビューも高く、確かに、ラストの30分は、母と娘の途切れそうになっていた絆を、何とか結び付けようとする家族愛を、マルチバースとリアルな空間を混在させて、華々しく訴えかけくる。そして、鑑賞後は、自分の家族とも置き換えて、もう一度見つめ直すようなエンディングに包まれていく…のだが…。

個人的には、そこに辿り着くために、前半から意味不明なマルチバースの世界が、突如として展開し、それも一つ世界だけでない為に、観ていて非常に混乱し、作品を複雑にしていると感じた。一つ一つのシーンは、カンフーあり、SFありで楽しませてくれるのだが、それぞれのマルチバースとリアルな世界観の繋がりや家族愛のテーマに結びつけるには、一度見ただけでは、なかなか理解し難い。

また、本作の中に、キューブリックの作品と似通ったシーンが数多く盛り込まれており、監督が、本作に込めたメッセージの中には、キューへブリックへのオマージュも含まれていたのだろう。しかし、そんなキューブリックの象徴的な映像を差し込むことで、却って難しさが増しているように感じた。

ストーリーは、主人公のコインランドリーの女主人・エヴリンが、店の経営難、父親の介護、娘の反抗、甲斐性が無い夫と、困窮する生活を送っていたところから始まる。そこに、何の脈絡もなく、夫が別の世界から来た男・ウェイモンドへと豹変し、カオスをもたらす諸悪の根源を倒す使命を受け、マルチバースの世界を行ったり来たりしていく物語。

この作品は、賛否両論になるだろうし、正直、アメリカ人には、こうした家族愛の描き方も「あり」なのでしょうが、日本人がこの作品を心から受け入るには、少し難しいように感じた。レビューの星マークを見ても、賛否両論に分かれているのは、その表れだと思う。自分ならアカデミー賞には、選ばない作品だ。

bunmei21
Mさんのコメント
2023年3月4日

確かにその通りですね。ところで、嫌なコメントって私が書いたものですか?

M
bunmei21さんのコメント
2023年3月4日

Mさん(^^)以前、嫌なコメントを書き込まれましたから…。でも、本来、映画に対して、いろいろな見方や思いを、自由に書き込めるサイトであって欲しいと思います。

bunmei21
Mさんのコメント
2023年3月4日

やはり、国民性の違いでその映画を受け入れる国とそうでない国があるのでしょうね。
「しかし、自分なら・・・」と書くことのできる懐の深さに感心しました。やはり、その余裕がなくては、こんなサイトではトラブルになってしまいますよね。勉強になりました。

M